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皆さんこんにちは!
田辺建装、更新担当の中西です。
本日より新シリーズ「軽天ボード工事マスター講座」をスタートします!
当社は京都府南丹市を拠点に、近畿地方一円のビル・オフィス・商業施設・学校・病院・公共施設など、多様な現場で軽量鉄骨下地(軽天)+ボード工事を専門に手がけています。今回は第1回として、「軽天ボード工事とは何か?」をテーマに、建物を支える“見えない骨組み”の役割から工事の一連の流れ、当社が大切にする品質管理ポイントまでを2000文字以上で詳しく解説します。
目次
「軽天」とは、軽量鉄骨(チャンネル材・レール材・スタッド材など)を組み立て、壁や天井の下地骨組みをつくる工法です。木下地に比べて寸法精度が高く、耐火性・耐震性にも優れるため、大規模なビルや公共施設で広く採用されています。軽天下地は、最終的に見えなくなる“見えない骨組み”ですが、建物の安全性・耐久性・仕上がり品質を左右する非常に重要な要素です。
ボードは、軽天下地に貼り付ける仕上げ材で、代表的なものに石膏ボード、ケイカル板、耐水ボード、耐火ボード、防音ボードなどがあります。用途や性能要件に応じて最適なボード材を選び、軽天下地と組み合わせることで、建物に必要な防火・断熱・遮音・意匠性を付与します。
石膏ボードは不燃材であり、軽天+ボードの二重構造により高い耐火性能を発揮します。建築基準法の防火区画要件を満たす壁や天井を構築し、火災時の延焼抑制に貢献します。
軽量鉄骨下地は木下地と比較して剛性が高く、地震や振動に対する追従性も良好です。建物の揺れを軽天下地が受け止め、躯体への負荷を低減することで、長期的な構造安定性を確保します。
軽天下地の間にグラスウールやロックウールなどの断熱材・吸音材を充填し、ボードを貼ることで高い遮音・断熱性能を実現。居室や会議室、講堂など用途に応じた快適空間を提供します。
電気配線や空調ダクト、給排水配管を軽天下地内に隠蔽することで、仕上がり面を美しく保ちつつ、メンテナンスや改修時のアクセスも容易になります。
まずは建築図面と仕上げ仕様書をもとに現地調査を実施。天井高さ、壁の位置、開口部のサイズ、既存躯体の状態などを確認し、下地材の種類や補強金物、ボード材の選定を行います。
レーザー墨出し器で床レベルと壁・天井の位置を正確にマーキング。水平・垂直の精度を±1mm以内に管理し、仕上がりの美しさと性能を担保します。
ランナー(レール)取り付け:床と天井にチャンネル材を固定。
スタッド(縦桟)取り付け:等間隔(一般的に300~450mmピッチ)で縦桟を立て、耐荷重やスパンを考慮した補強を施します。
開口部補強:ドア枠や窓、設備配管用の開口部まわりには専用補強金物を取り付け、下地の剛性を確保します。
壁体内にグラスウールやロックウールを充填し、断熱・吸音性能を付与。充填密度や隙間のない施工が重要です。
石膏ボードやケイカル板を下地にビス留め。ジョイント部をずらすことで目地を分散し、強度と美観を向上させます。
継ぎ目にジョイントテープを貼り、パテを充填・研磨。平滑な面をつくり、次工程の塗装やクロス張りに備えます。
ビスの凹みやパテの段差を最終確認し、養生材を撤去。クリーニング後に次工程へ引き渡します。
墨出しから下地組立、ボード貼り、パテ仕上げに至るまで、各工程で寸法精度を厳守。仕上がり面の平滑性・隙間の有無を目視と測定器でチェックします。
高所作業車や足場の適切な設置、ヘルメット・安全帯の徹底着用、墜落防止ネットの設置など、安全第一で無災害を目指します。
廃材の分別回収、低VOC(揮発性有機化合物)製品の採用、施工エリアの粉塵抑制対策など、環境負荷低減にも配慮した施工を行います。
南丹市内の公共図書館改修工事では、旧式の木下地を軽天下地に置き換え、耐震性能を強化しました。グラスウール充填による断熱性向上と、石膏ボード+耐火ボード併用による耐火性能アップを実現。利用者の安全性と快適性を両立させた事例です。
第2回では「軽量鉄骨下地設計の基本―荷重・スパン・耐震性を考慮した下地プランニング」をお届けします。使用材料の選定基準、補強下地の配置、施工図作成のポイントなど、設計段階で押さえておきたい知識を詳しく解説します。ぜひお楽しみに!
田辺建装は、京都府南丹市を拠点に近畿地方一円で軽天ボード工事を専門とし、“見えない骨組み”から仕上げまで高品質な施工を提供しています。本シリーズを通じて、現場で役立つノウハウをぜひご活用ください。
次回もお楽しみに!